「世界は、謎で、満ちている」
はいっ!どうもこんばんは、世界の謎に迫る部屋「ものくるーむ」の住人「ものくろ」でございます!
唐突ですが、みなさんは自分で言語を作った記憶はありますか?
発音はもちろんのこと、文法や単語まであらゆるルールを一から作る、そんなことできるのはハンター文字を作ってしまう冨樫義博先生だけだと思ってました。お願いです!漫画書いてください!続きが読みたいんです!
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感想(8件)
世界中に点在するオーパーツ、その中に現在の言語学者をもってしても解読不可能とされている古文書をご存知でしょうか?
ヴォイニッチ手稿

名称は発見者であるポーランド系アメリカ人の革命家であり、古書収集家のウィルフリッド・ヴォイニッチから付けられています。ざっくり彼の事を説明させていただきます。
1865年に彼はポーランド系リトアニア人の貴族の家系に生まれました。
1885年にワルシャワで革命組織(プロレタリアート)に参加します。
1886年にワルシャワ要塞に収監されている同志を開放しようとするが失敗します。
1887年に強制労働刑で囚人農場へと流刑となります。
1890年にシベリアからロンドンへ脱出します。この頃偽名としてヴィルフィルドと名乗ってたそうです。
1893年に革命同志であるエセル・リリアン・ブールと結婚し、ポーランド式からイギリス式に名を改めたそうです。ヴィルフィルド→ウィルフリッド
1895年に革命運動から身を引きます。
1898年にロンドンで本屋を始め、1914年にはニューヨークにも出店しました。彼は希少価値のある本の取り扱いに関わったほか、多くのカタログの執筆を行ったりしました。
1930年にニューヨークで死去しました。
革命家というちょっと特殊な半生の彼は、革命運動から身を引き、本屋を始めた後の1912年、イタリアのモンドラゴーネ寺院でこの奇書と出会います。それ以降ヴォイニッチにちなんでヴォイニッチ手稿と呼ばれるようになったそうです。
この本は未知の言語体系で執筆されており、1915年にその存在が公表されて以来、幾人もの高名な言語学者や暗号学者が解読に挑戦しましたが未だ解明されていません。
同書は、現在はイェール大学が所蔵しているようです。
ヴォイニッチ手稿

現在ではインターネットが発達し、電子書籍化され、誰でもダウンロードして読むことができるそうです。我こそは、と思う方は解読に挑戦してみてもいいかもしれません。
この本の特徴ですが、どの国の言語とも言えない文字で埋め尽くされていること、そして多数の奇妙な挿絵が描かれていることだと言えます。
挿絵と文字の位置関係からしても、描かれてる絵に対する詳細な説明が書かれてるといいます。また、植物や花の絵が書いてあるのですが、実在する植物とは大きくかけ離れた姿形をしています。
それに加え、プールなのか、浴槽なのか、分かりませんが、水に浸かった全裸の女性の絵が多いそうです。一体何を伝えたかったのでしょうね・・・
また、文章を言語学の統計的手法で解析した結果、デタラメな文字列ではなく、自然言語か人工言語のような確かな意味を持つ文章列なのだそうです。
そのページ数たるやなんと約240ページにもなるそうです。それだけのページ数をしかも、挿絵と文字で埋め尽くすとなると、やはり他の人に何かを伝えるために書かれたのでしょう。
手稿の執筆時期については分かっておらず、2011年にアリゾナ大学で行われた放射性炭素年代測定により、手稿に使用されている羊皮紙は1404年~1438年頃に作られたとされています。当然、執筆されたのはそれより後になると言えます。
作者は誰?
作者については諸説あります。
◎ロジャー・ベーコン◎
イングランドの学者で、挿絵から見て薬草学に関する何かの知識か見解を、宗教的迫害から守るため、非常に特殊な暗号を使って記載したのではないかとされています。
◎エドワード・ケリー◎
イングランド生まれの錬金術師であり、錬金術に傾倒していたルドルフ2世(神聖ローマ帝国のローマ皇帝)から金を搾取するため、もしくはパートナーのジョン・ディー(錬金術師・数学者)をかつぐために偽造したとしています。ディーはルドルフ2世の手稿入手の背景にいた人物とされています。
◎中東の滅んだ民族◎
2014年のスティーブン・バックスの論文によれば、手稿は中東の付近に暮らしていた既に滅んだ民族が用いていた言語で記されたものだといいます。
また、この手稿が一種のアウトサイダー・アート(西洋の芸術の伝統的な訓練を受けてない者が制作した作品だが、アートとして扱われているもの)であり、解読しようとする試みそのものが無意味であるとの意見もあります。
まとめ
いかがだったでしょうか、ヴォイニッチ手稿。解読に成功した!という者が現れては否定され、解読した!という者が現れては否定され続けているそうです。
最近ですと、2018年にカナダの電気技師、アメット・アーディックがトルコ古語に似ているという説をジョンズ・ホプキンス大学のデジタルジャーナルに論文として投稿しました。(古いトルコ語で書かれている説)
また、2019年ブリストル大学の言語学者、ジェラード・E・チェシャーによりドミニコ会の修道女がアラゴン王国の女王であるマリアのために俗ラテン語で記述した生活に関する参考書という説が提唱されました。(俗ラテン語で書かれた参考書説)
こうじゃないかな?ああじゃないかな?と全くバラバラな意見が出てきて、解読する人物の職種もバラバラなのがすごいですね。みんな大好きなんだなぁヴォイニッチ手稿。
本当に「解読に成功した!」と言える人はそれだけの根拠がないとダメってことですよね。誰も知らないはずの言語を解読するわけですし・・・

でも、見れば見るほど謎ですよね、現実では見たことのない植物ばかり出てきます。
世界の一大奇書・ヴォイニッチ手稿、解読するのはあなたかもしれない・・・
ふわっとした知識の部屋「ものくるーむ」の住人「ものくろ」でした。また見てくださいね、ばいばい!
参考 ウィキペディア